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2016年3月14日

  • ブログ

ギリギリのところを見つけて、
そこに飛び込めるかどうか。

今日3月14日は、株式会社エンジンの10回目の設立記念日。
とくに何かをするということもなく、
いつも通りで10年目を迎えています。
ひとことで10年というと長いですが、
私自身の感覚ではあっという間だった気がします。
そこで年ごとのトピックをまとめてみます。

◎2007年:定期受注で順調な立ち上がり
2005年に独立して3年目に法人化しました。
その間の実績もあってか、KDDIやNTTドコモ、日本経済新聞などの
定期物の受注・継続があり、カンパニーサイト構築などの大型案件も受注できました。
順調な立ち上がりだったと思います。

◎2008年:広告賞受賞で恩返しができた
法人化前から継続して制作していたKDDIのCSR雑誌広告シリーズが、
2008年の「消費者のためになった広告コンクール」
(主催:公益社団法人日本アドバタイザーズ協会)で銅賞を受賞しました。
独立したばかりでまったく仕事がなかった私を指名発注してくれた同社。
少しは恩返しができた気がして、とてもうれしかったことを覚えています。

◎2009年:リーマン・ショック直撃。資金繰りに苦労
前年に勃発したリーマン・ショックが業務を直撃しました。
売上ベースで約半分を占める金融機関の受注案件のほとんどが止まり、
売上は40%減。資金繰りに苦労しました。
銀行からの融資や増資、私募債などで対処しようとしましたが、
なかなかうまくいかず。代表としての無力感に打ちのめされました。

◎2010年:資金事業も頓挫して、とうとう社員解雇
金融に頼りすぎた事業ポートフォリオを改善しようと、
まったく違う業種の新規事業をスタートしましたが、なかなか立ち上がりません。
個人のお金をつぎ込んでいた運転資金も底をつき、
とうとう社員(2人)を解雇することに。
2人は異業種からの転職で、広告・編集業務はまったく初めてでした。
いま思い出しても申し訳ない気持ちになります。

◎2011年:金融以外の仕事がようやく実績に
リーマン・ショック以降に取り組んできた金融以外からの受託が、
ようやく形になってきました。TOTOと北越紀州製紙の仕事がその代表例です。
TOTOはイベント出展に関連するコピー制作、
北越紀州製紙はCSRレポートの編集・制作です。
これらの仕事は現在も続いており、毎年楽しみな仕事のひとつになっています。

◎2012年:コミュニケーションの難しさを再確認
某出版社が受注した、大手生保が自社の確定拠出年金(401k)受託者向けに
発行するパンフレット。投資教育の一貫として四半期に1回、A4で4ページの仕事です。
これが本当にたいへんでした。打ち合わせに呼ばれれば、ほとんど社内ネゴの場。
質問や確認をすれば「それを含めてご提案ください」の一点張りで、
提案すれば「なんかよくわからない」。1年中、この仕事に関わっていた気がします。
その生保会社の体質なのか、金融業界の特質なのか。
はたまたこちらの理解不足・実力不足なのかもしれません。
いずれにしても、コミュニケーションの難しさを再確認した仕事でした。

◎2013年:お料理コンテンツの制作も!
企業会員誌の制作を受注しました。最初は24ページまるごと受注していたのですが、
先方の社内事情からお料理ページのみを制作することに。
まったく初めての種類の仕事でしたが、
優秀なスタッフを集めることができてクライアントに喜ばれました。
ワイワイ笑いながらもテキパキ進めるその仕事作法に
びっくりする一方、私も楽しく仕事することができました。

◎2014年:水道橋15.5坪の事務所へ移転
ひょんなことから高校同期生の音楽家・秋月郁くんと
「一緒に何かやれるといいね」ということになり、心機一転、水道橋に事務所を移転しました。
15.5坪(約50平米)と2人にしては広いスペースですが、
何かにつけて人が集まるようになり、そこで新たな仕事や企みが生まれるように。
殺風景な事務所ですが、人が集まる「気」のようなものがあるのかもしれません。
大事にしていきたい場です。

2015年:CM音楽の制作に参入
秋月くんとのコラボ業務の代表例がCM音楽の制作です。
2015年には2本、制作しました。いずれもサントリーウエルネスのインフォマーシャル。
インフォマーシャルとは、インフォメーション(情報)とコマーシャル(広告)を
掛け合わせた造語でテレビCMのひとつです。数分~数十分と映像時間が長いものが多い。
秋月くんは全編オリジナルで作編曲し、演奏もすべて自らおこないます。
音源を買うことが一切ないので、放映期間が長くなっても
二次使用料などの追加コストが発生しません。
品質や納期、ディレクション能力の点も含めて、クライアントに喜ばれました。
今後も注力して進めていく業務のひとつです。

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こうしてまとめてみると、紆余曲折あったものの総じて楽しくなっているじゃないか!
という気になりますね。
現在の延長線上にある仕事よりも、切羽詰まってエイヤっと進んだ先に
充実したと感じる仕事があるようです(収益=儲けは別として…)
となると、今後問われるのは継続的発展と創業的出直しの見極め・バランスなのかもしれません。
そのギリギリのところを見つけて飛び込めるかどうか――。

10年間ありがとうございました。
これからも応援してください。

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